カランメソッドで「4倍早く英語を覚えられる」!?体験してみた!

英語学習

英語学習に興味のある人なら、「カランメソッド」が気になっている人も多いのでは。
「通常の学習法より4倍早く英語を覚えられる」という謳い文句が魅力的ですよね。

でも、本当にそんなに効果のある学習法なのでしょうか?気になったので、実際に受講した上で検証してみました。

そもそもカランメソッドとは

カランメソッドは、イギリスのカラン氏が1960年代に開発した英語学習法です。
英語を英語で教える「直接教示法(ダイレクトメソッド)」の一つで、高い集中力が求められるハードなプログラムです。

カランメソッドは一番最初のレベルから始めるため、私も一番初級のレベルから始めましたが、1レッスンごとにへろへろになりました(笑)。

カランメソッドの利点

生徒は講師から絶え間なく質問を受け、即座に回答し続けます。回答の中に文法の誤りなどがあると、講師がその場で指摘し、修正します。
また、講師は初心者に対しても、常にナチュラルスピードで話します。質問は必ず2回繰り返されます。

講師からの質問に即座に回答しなければならないため、質問を一度日本語に置き換えるクセが強制的に排除され、いわゆる「英語脳」が身につくというのが一番の利点です。
さらに、英語の瞬発力も養われます。

そして、ナチュラルスピードを聞き続けることで、自然とリスニング力が身につきます。
正しい文法で話すこともできるようになります。

カランメソッドの問題点

ただ、結論として、私は「カランメソッドは英会話習得にあまり効果的ではない」と感じました。
一番の理由は「発言内容が実用的でない」からですが、他にもいくつかの理由があります。

初心者には難易度が高い

カランメソッドは、英語を英語で教える「ダイレクトメソッド」です。そういった英語学習法は、今の日本の英語学習に必要なものともいえます。

ただ、私は中学1年レベルのレッスンを受けたのですが、「この単語は補語だから」という意味で、容赦なく「This word is a complement, so……」といった表現が使われていました。

「これは初心者には向かない解説なのでは?」と疑問に思いました。

発言内容が実用的ではない

カランメソッドの回答は、必ずフルセンテンスで行わなければなりません。

「Do you like tennis?」と訊かれたら、普通は、「Yes, I do.」と答えるのが自然な英会話ですよね。
ところが、「Yes, I do.」 と答えると、それは「間違い」になります。
必ず「Yes, I like tennis.」と答えなければなりません。

また、回答は「英会話において自然な」、短縮形で答えなければならないというルールもあります。
「I am not a teacher.」と答えるのは「間違い」です。
「I’m not a teacher.」と答えるまで先に進めません。

でも、「Yes, I play tennis.」なんて、ふつうは英会話で使わない表現ですよね。
「Do you play tennis?」といった質問文に、「Yes, I play tennis.」というような回答をするクセがついたらどうするんだろう、と思いました。

継続が難しい

カランメソッドは、絶え間ない質問に延々と答え続けるレッスンです。
とてつもない集中力が必要で、レッスンが終わるとへとへとになります。

まず間違いなく、「楽しい」英語学習法ではありません。

英語学習は、楽しくないと続けられない。

これは英語学習の大原則ではないかと思っています。
いくら「4倍早く英語を覚えられる学習法」でも、脱落者が続出するのでは意味がないんじゃないかと思いました。

時代遅れな表現・差別的表現がみられる

カランメソッドは、50年以上前に開発された学習法です。
そのため、「時代遅れだ」という批判がたびたびありました。

私自身、実際に受けてみて、未婚・既婚の女性を共通して表す「Ms.」という表現がなく、「She is Miss~.」「She is Mrs.~.」 という文を何度も言わされるのに辟易しました。

また、「Your skin is white.」「My skin is yellow.」というやりとりも、何度も繰り返すことになりました。

講師に専門知識がない場合も

カランメソッドは、講師のセリフがきっちり決まっているため、教える側に英語講師としての能力は必要ありません。
そのため、とてもリーズナブルに受講できるというのが利点の一つではあります。

しかし、そういった理由で、報酬の安いカランメソッドをネイティブ講師が担当するケースは見たことがありません。
私が受けたレッスンでは、講師はすべてノンネイティブでした。

講師がノンネイティブであることは、何も問題ではないのですが、私が問題を感じたのは、ある講師が、「th」の発音もろくにできていなかったことです。

さすがに、ちゃんと英語講師としての能力のある人に教わりたいなあ、と思いました。

カランメソッドの改良版?「DMEメソッド」

DMEメソッドのDMEは、Direct Method for Englishの頭文字です。つまり、DMEメソッドもカランメソッドと同じ、英語を英語で教える「直接教示法」です。

カランメソッドは「時代遅れ」という批判を受けてきましたが、DMEメソッドのテキストは、3~4年に一度アップデートされます。
レストランや空港、お店などで想定されるやりとりの練習もあります。

「Do you play tennis?」と聞かれたら、「Yes, I play tennis.」とフルセンテンスで答えなければならないのは同じです。

そのため、「単なる質問に対する答えではなく、インタラクティブな側面も設けられている」「楽しく英語が学べる」……ということだったのですが……

インタラクティブといっても、自由に会話できるわけではなく、決められた答えが求められているのは一緒でした。

そして、楽しくもなかったです(;^_^A

まとめ:カランメソッドが向いている人・向いていない人

私は、カランメソッドやDMEメソッドが好きではありませんが、否定しているわけではありません。

「語いと文法の知識はあるけど、日本語で考えるクセが抜けない」ことに悩んでいる人、つまり「英語脳」をゲットしたい人には、とても良い学習法だと思います。

しかし、難しい用語が容赦なく使われるため、英語初心者の方がいきなり受講するのはおすすめしません。
また、英語学習を楽しみたい人にも向かないと思います。

人を選ぶ学習法だと思いますが、オンライン英会話などでリーズナブルに受講できるので、お試しで受講してみるのも良いのではないでしょうか。

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